寺田本家の酒は、自然米と神崎森の恵みの水と
天然麹菌・蔵付き酵母・乳酸菌
たくさんの微生物たちが醸してくれます。
酒は響きあいから生まれる自然のおくりもの。


黒い豆のような粒が稲麹(いなこうじ)

 寺田本家では2008年11月より、自社田の稲穂から採取した稲麹菌から自家培養しました天然麹菌を種麹としたお酒造りを本格的に始めました。
 “百薬の長たる酒は天然の麹菌から”という23代寺田啓佐の強い信念のもと、2007年より藤波杜氏が稲穂につく稲麹からの種麹菌の培養を試みてまいりました。
いろいろなみなさまのご協力をいただきながら、分離培養・試行錯誤の末にようやく寺田本家の「種麹」をつくることに成功いたしました。
 最初は発芽玄米酒「むすひ」の仕込みに、その後菩提もと仕込みの「醍醐のしずく」。
そして2008年冬から「五人娘純米」「香取80」「香取90」の仕込みに。今ではすべての酒をこの天然麹菌で仕込んでおります。
   ※天然麹菌は専門機関にてマイコトキシン検査を実施、安全性を確認しております。

黒い粒の中には麹菌が生きています

昔、稲麹がつくと、その年は豊作といわれたそうです。

『一麹二モト三醪』(いちこうじにもとさんもろみ)。日本酒を造るときに大切な工程です。
ひとつひとつ大切な工程なのですが、麹造りはその中でも基本となる大切なもの。いい麹米を造ることは、いいお酒造りにつながります。
麹はお米を溶かす酵素をつくります。その酵素の力でお米のでんぷんやたんぱく質、脂肪分も分解、酵母たちはそれを食べてアルコールを醸しだしてくれます。
お酒造りは微生物たちのおかげです。

さて麹造りですが、いま寺田本家では自社の田んぼから種菌を採取してきます。
種菌は「もやし」とも呼ばれ、普通は全国に何軒かある種麹屋さんから買ってきます。寺田本家でも以前は種麹屋さんから買っていました。
自然なお酒造りを目指している中、やはり種菌も自然のもので出来ないかとの思いが強くなってきました。


2009年秋、中生神力(なかてしんりき)の田んぼ
そして、そのヒントは田んぼの中に。秋の稲刈り前、田んぼの中の稲穂にところどころ濃い緑色をした大豆くらいの大きさの玉がつきます。それは稲麹とか稲霊(いなだま)と呼ばれています。昔はこの稲麹から麹を造り酒をつくったそうです。
稲麹がつくと、その年は豊作といわれることもあったそうですが、米の育ちが悪かったり、黒くなってしまうため、農家の方は稲麹病と呼び、農薬をまいて防いでいます。
寺田本家の田んぼは10年以上も無農薬で作っていますので、稲刈り前の稲穂には稲麹がたくさん見受けられます。その稲麹を採取して、麹の培養を試みることに。
蒸したお米と椿の灰を使って、何度も培養を繰り返します。
はじめは濃い緑色の黄麹菌の他にも青や赤などいろいろな色のカビもあり、まるでお花畑のようになります。そこから灰をまぶしたアルカリ場の中から伸びてくる黄麹菌だけを取り出し培養を繰り返すうちに元気な黄麹菌だけになってきます。
できた黄麹菌を、種麹として使い蔵の麹室で麹を造りました。
こうしてできあがった麹は、糖化力もある力の強い麹でした。お酒にしてみると醪の日数が若干長くなった気もしますが、それも自然の力。私たちの目指す生命力のほとばしるお酒に近づいてきたと思っております。
最初は発芽玄米酒「むすひ」と菩提もと仕込みの「醍醐のしずく」の麹として使いはじめました。
そして翌年からは生もと仕込みの「五人娘」「香取」にも使うようになりました。
自然界では無駄なものは何もありません。それぞれの役割や働きがあるんですね。稲麹も稲籾を黒変させる病気ともとらえられますが、活躍する場、イキイキする場を与えてあげると、お役にたつ立派な麹菌として働いてくれます。それは私たちのお酒造りの姿勢とまさに響き合うものです。



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