木桶は微生物たちのよりどころ

自然酒造りのために機械をなくしていき、昔ながらの手仕事へと変化していく中で、少しずつではありますが、木桶や竹の米ざるを使うようになってまいりました。
木桶の中は微生物にとって心地良い住処となり、多様な微生物が住んでいます。未発見の菌もたくさんいます。
蔵ごと、木桶ごとに微生物の生態系が生まれ、たくさんの微生物が関わることで独自のお酒を生み出してくれるのです。
木桶文化を次の世代へ

その昔、木桶は発酵文化とともにあり、酒造りや醤油造り、味噌造りなどで大切に使われてきました。
多様な微生物による発酵を促す木桶は、私たちのお酒造りには欠かせません。
しかし今では多くの酒蔵から木桶は姿を消し、大きな酒桶を作れる職人さんは指で数えられるほどです。
木桶作りの技や文化を次世代に引き継つぐため、同じ想いで活動されている小豆島の「木桶職人復活プロジェクト」に参加し、蔵人が木桶作りを学んでいます。
2023年には木桶職人復活プロジェクトの皆さんの力をお借りして、千葉県山武市で森を守る活動をする空師の皆さんが手入れをしている山武杉を材として、新しい木桶を組み上げました。
以来、沢山の方の協力を得ながら山武杉を使って木桶を制作し、少しずつその数を増やしています。
苦労も喜びも分かち合う、木遣り祭り

木桶を作るために森の谷底で切り倒された丸太は、昔ながらにロープを使い、人々の力を合わせて引き上げます。
大変な重労働も人々が集い、同じ釜の飯を食べて声を掛け合えば、笑みがこぼれます。
立派な杉を使わせていただく感謝の祈りも込めた、この「木遣り祭り」では、沢山の方と新しい桶の誕生の喜びを分かち合います。
木や竹などの自然素材を使うことで森に人が入り、それが木桶の材となる豊かな自然環境を未来へ残すことにもつながっていると願っています。
力強さと爽やかさを併せ持つ味わい

自社の田んぼで蔵人たちが育てた在来種・中生神力を10%だけ磨き、生もと造りで仕込んだ火入れ原酒「木桶」。
木桶の豊潤な香りと、生もとならではの乳酸感のある爽やかな香りが感じられるお酒です。
香りとは対照的に口当たりは力強く、深い旨味としっかりした酸味が広がる旨辛口の酒質で、熱燗にするのもお勧めです。
多様な菌が息づき、森・蔵・田、そして人の想いが渾然一体となった味わいを、ぜひお楽しみください。
純米酒 無濾過火入原酒 生もと、木桶仕込
内容量:720ml
原料米:中生神力(農薬、化学肥料不使用)
精米歩合:90%
麹菌、酵母:蔵付き
アルコール度数:18.5度
保存方法:直射日光・紫外線を避け冷暗所で保管
日本酒度 +4、酸度 2.5、アミノ酸度 3.2