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寺田本家の酒造り

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寺田本家の酒造り

日本酒はお米をアルコール発酵させて造る醸造酒です。
穀物のアルコール発酵とは酵母が糖分を食べて、主にアルコールと炭酸ガスを出すこと。
ところがお米はデンプンのままでは小さな酵母菌は食べられません。
そこで原料となるお米を蒸して麹を造り、麹がお米のデンプンを糖に変え、
それを酵母の力でアルコール発酵させます。

日本酒は「麹カビ」「乳酸菌」「酵母菌」という3種類の微生物を筆頭に、
その他たくさんの微生物たちが自分たちの役割を果しバトンタッチしながら、
それぞれの生命(いのち)が結び合い、生まれてくるのです。
蔵人たちの仕事は微生物たちの声を聞きながら、発酵場を整え、うまく手助けをしていくこと。
ともに響きあい、ともに生かされて醸される酒は
生命(いのち)あふれる本物の酒となります。

米作り

寺田本家の酒造りには、契約農家さんが丹精してくれるお米と自社田の米を使っています。
本当にありがたいことに、農家さんのご協力で、22BY(2010年)の仕込みより、全量無農薬米となりました。
自社田では、春の田植え会、初夏の草取り会、そして秋の稲刈り会と、大人から子どもまでたくさんのみなさまの手をお借りします。最初は田んぼに入れなかった子どもたちも、気がつくと裸足で虫を追いかけています。たくさんの笑顔と笑い声に包まれて育ったお米。
たくさんの笑い声につつまれて育ったお米、農家さんの心のこもったお米を使って、冬の酒造りは始まります。

仕込み水

寺田本家の仕込水は創業からずっと豊かに湧き出る神崎神社の御神水です。
この生命あふれる水を、さらに活水器エリクサーを通し、備長炭を沈めたタンク内で水の分子を小さく整えることで、微生物たちの生命力を高めることができます。

米洗い

寒い冬、冷たい水でお米を洗うのは辛い仕事です。寺田本家でも自然酒造りにもどる前には機械を使っていたこともあります。
昔ながらの手のひら仕込みに、ひとつひとつかえってゆく間に、自然に手で洗うようになりました。
蔵人たちは、真冬でも素手で、お米に感謝を込め、大切に大切に洗ってゆきます。

蒸す

米を蒸すのは甑(こしき)と呼ばれる大きなせいろ。
真冬の早朝から、蔵の中では甑の中に洗ったお米を張り込む作業が始まります。
冬の仕込みの最盛期には、1トンものお米を一度に蒸してゆきます。甑を覆う天蓋はぱーんと蒸気で膨らみ、朝の酒蔵の屋根からは遠くからも見えるほどの湯気が白く立ち上ります。

冷ます

甑につけた足場に立ち、スコップで蒸しあがったお米を掘り出します。重さにして15kgほどの蒸米を木桶に分け入れ
ひょいと担いで蔵人は重さも忘れたように軽やかに走り、麻布をひろげたサナの上に、蒸米をザッと広げます。
すかさず手を入れてゆく蔵人たち。寒さの中の熱い作業もつかの間、目指す温度を見極め、麹室へ、もろみタンクへと ふたたび軽やかにかけてゆきます。

種麹のこと

寺田本家でも、昔は麹造りの種麹は専門の麹屋さん(もやしやさん)から買っていました。
“百薬の長”たる酒造りには自然のものを、との想いからさまざまな試行錯誤を繰り返し
2016年冬の仕込みから、蔵内にすむ蔵付き麹菌を採取し、自家培養した麹菌を使うようになりました。

麹造り

酒造りの中でも一番大切と言われる麹造り。寺田本家の麹室は、天井・壁・床に炭の粉を敷き詰め微生物たちが心地よく働ける場を作っています。適温で運び入れた蒸米は、温度が下がらないようすばやく広げ黄麹菌を植えつけ、まんべんなく混ぜます。
温度と湿度を保ち、麹菌たちが生き生きと働けるよう、蔵人たちはきめ細かな手助けをしながら、2日間(玄米では4日)かけて麹を育ててゆきます。

手酛(てもと)

生酛造りのスターターとなる酛(もと)造りの準備は、前日から始まります。
半切り桶に仕込み水、蒸米、麹を小分けして入れ、前日の夕方から翌朝まで交代で手酛(均一に混ぜる)作業を行います。寒さが一層厳しい冬の宵、よい酛をつくるためにかかせない大切な作業です。

山卸(酛摺り)

力強い酵母を育てる酛。蒸米・麹をなめらかに摺りつぶし、硝酸還元菌や乳酸菌、酵母菌が自然にやってくる発酵場を整えます。
蔵人たちが唄う酛摺り唄は、作業時間をはかり、みんなの息を合わせ、そして心も合わせます。
唄声は微生物たちに私たちの想いを届けます。飲むと楽しくなっちゃう、嬉しくなっちゃう、そんな酒を一緒に醸そうと。

酒母造り

山卸(酛摺り)作業が終わったら小さなタンクに移し、30~40日かけて酒母を造ります。
ここからは静かに微生物たちがやってくるのを待ちます。思うように来てくれないときは、何かしたくなるけれど、時がきて、場が満ちると動き出します。
その時までゆっくりと待つ。

もろみ造り

麹と酒母がそろうと、いよいよ日本酒造りの本番。
「もろみ」(造り)といわれる工程で、出来あがった酒母を大きいタンクに移し、麹・蒸米・水を加えて、原酒となるもろみを30日以上かけて発酵します。仕込みは「初添」「中添」「留添」と3回に分けるため、「三段仕込み」ともいわれます。三段仕込みは、徐々に酵母の生育の場を広げていくことにより、酵母の優位性を保ち発酵を促す最適な仕込方法といえます。
もろみの中では麹の力によって蒸米が次第に糖化されていき、その糖を食べて酵母菌が発酵し、アルコールを醸し出してくれます。この発酵法は糖化と発酵を同時に行うことから「並行複発酵」といわれ、世界的にも珍しい日本独特の技法です。

上槽

微生物の声に耳を傾けながら、もろみの発酵具合を見極め、よし!となったらいよいよ上槽です。仕込みを終えたもろみは、圧搾して新酒(生原酒)と酒粕に分けられます。しぼりたての生酒は琥珀色(こはくいろ)をしていて、炭酸ガスが残り、シュワっとした口当たりが新鮮です。麹の香りも強く残っています。
春先までかかってしぼり終えた新酒は、銘柄によって、生のまま、また火入れをしたのちに、蔵の中でゆっくりと熟成、蔵出しを待ちます。

熟成/瓶詰

生酛造りの酒は、昔から9月9日、重陽の節句の頃に美味しくなると伝えらえています。夏の間ゆっくり蔵の中で熟成の時を経て、季節の変化を感じる中、新酒は静かにまろやかさを増し、旨みものってバランスの取れた味わいになります。
先人たちが積み重ねた経験と智恵を、今もつなぎ未来へと伝えながら、9月9日に寺田本家の酒も蔵出しとなります。